【7月22日 AFP】2008年11月のインド・ムンバイ(Mumbai)同時襲撃事件の実行犯として、唯一生存したまま起訴されたパキスタン人、モハメド・アジマル・カサブ(Mohammed Ajmal Kasab)被告が22日、公判で、死刑を言い渡される準備ができていると語った。カサブ被告は20日に無罪の主張から一転して罪を認め、事件について証言を始めていた。

 カサブ被告は公判で「さあ死刑にしてください」と判事に語った。「わたしが何をしたとしても、それはすべてこの世界でのこと。それならばこの世界で罰を下された方がいい。神の罰よりはましだろう。わたしが絞首刑で死から逃れようと心配する人がいるかもしれないが、それは違う。罰ならば受け入れるだけだ」

 カサブ被告は20日、166人が死亡し300人以上が負傷した同時襲撃事件の10人の実行犯の1人であると証言し、事件の詳細を語っていた。突然のカサブ被告の証言以降、判事は公判をどのように進めるか検討していた。

 証言の中で、カサブ被告は裁判所に対し、ムンバイ市内の主要鉄道駅で人質をとるよう指令を受けたと語った。カサブ被告と共犯者1人は駅構内で銃や手投げ弾を使用して52人を殺害、100人以上を負傷させた。鉄道駅の襲撃は、ムンバイ市内で60時間にわたって続いた同時襲撃事件の中で最も死者数の多い現場だった。(c)AFP/Phil Hazlewood