【7月14日 AFP】米アリゾナ(Arizona)州にある大峡谷で有名なグランドキャニオン(Grand Canyon)国立公園内で13日、自動車を運転していた男性が、車ごとがけから転落し死亡した。自殺とみられている。

 公園管理局によると、13日早朝、絶景ポイントとして知られるサウス・リム(South Rim)から青い乗用車が落下したとの通報があった。救助隊が現場に直行し、がけから約180メートル下の地点で、車両と男性の遺体を発見した。

 近年、グランドキャニオンでは、1991年の米映画『テルマ&ルイーズ(Thelma and Louise)』に感化されたとみられる自殺が相次いでいる。映画は、ジーナ・デイヴィス(Geena Davis)とスーザン・サランドン(Susan Sarandon)演じる女主人公2人がグランドキャニオンの絶壁から車でダイブするラストシーンで終わる。

 同国立公園内における死亡事件を集めた書籍「Over The Edge: Death In Grand Canyon(がけを越えて:グランドキャニオンでの死)」によると、映画がDVD化された1993年には、3人が車でがけから飛び降りて死亡した。

 映画が公開される以前の自殺者数は、1967年から1986年の約20年間で3人だけだ。

 今回、遺体で発見された男性もこうした一連の自殺者と考えられ、公園管理局は「自殺も含めたあらゆる可能性を調査している」と語った。(c)AFP