【7月13日 AFP】(写真追加)中国で74歳の元教師が、赤信号を無視する車約30台に次々とれんがを投げつけ、この映像がインターネットで思わぬ「大ヒット」となっている。13日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が伝えた。

 この元教師は甘粛(Gansu)省蘭州(Lanzhou)の交通量の多い交差点に立ち、赤信号を無視する車にれんがを投げ、警官に制止されるまでに約30台を「襲撃」した。元教師は「人目を引いて、ドライバーに歩行者のことを考えろと言いたかっただけだ」と話しているという。
 
 中国のインターネット上に映像が掲載されると、この元教師に対する支持が殺到。オンライン投票には40万人が参加、80%近くが共感を示した。

 この元教師は、自宅近くで歩行者が死亡する交通事故があったことをきっかけに、交通安全を推進する活動を始めた。地元紙によると、ロビー活動の結果、この交差点に信号機を導入することには成功したが、ドライバーたちはなおも信号を無視していた。

 ついに9日、元教師は「れんが投げキャンペーン」を開始。これに高齢の男性2人も加わったうえ、周囲の人たちはわざわざれんがを探してきたりして彼らを手伝った。
 
 元教師は1週間襲撃を続けるつもりだったが、「キャンペーン」は1日目で警察に止められた。拘束後、尋問はされたが送検されずに釈放された。 
 
 深刻な被害を受けた車や、襲撃されたことで事故を起こした車があったかどうかは報じられていない。

 中国の道路は危険なことで悪名高い。警察の統計によると、08年の交通事故による死者は7万3500人、1日平均200人以上だった。(c)AFP