食べられる寸前!飼いネコ300匹を保護 上海
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【6月29日 AFP】中国の上海(Shanghai)で、人間の食用として売られそうになっていたネコ300匹を、動物愛護活動家らが保護した。29日の現地紙、上海日報(Shanghai Daily)が伝えた。
動物愛護家たちは26日、ネコ好きの人物からの通報で救出に乗り出した。ネコたちは盗まれた飼い猫で、貨物置場で発見されたときには竹製の箱計22個に詰め込まれ、広東(Guangdong)省の飲食店向けに売り飛ばされるところだった。発見後、大半は飼い主に返されたが、3匹はすでに死んでいた。また数匹が足を骨折していた。
ネコたちのいた貨物置場に侵入しておりを壊した愛護家の1人は、「ネコたちは虐待されている。ネコが入ったおりはトラックにきちんと積まれることもなく、投げ込まれている。到着するときに生きていても、最後は飲食店でスープにされてしまう」と訴えた。同紙によると、広東省のレストランはネコ1匹を50元(約700円)前後で購入しているという。
ネコ愛好家らに取り押さえられた取引業者は警察に拘束されたが、中国には動物愛護法が存在しないため、数時間後に釈放された。警察幹部は「中国にはネコを食べてはいけないという法律はない。ネコは保護対象の動物ではない」と語ったという。
ネコの売買をこれまで10年間にわたり行っていたこの取引業者は、住宅地区でネコをわなで捕らえる「ハンター」と呼ばれる卸元からネコを仲買していたが、上海ではネコはイヌと異なり、飼育する際に許可証も要らないので所有権の証明ができず、警察はこの業者に盗品所有の容疑をかけることもできなかった。
中国メディアによると、ネコを食べる習慣は、主に南部を中心に中国全体の多くの地域でみられ、なかにはネコを使ったメニューの専門レストランもあるという。(c)AFP