【6月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)体制に批判的だったジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)さんが2006年に殺害された事件で、ロシア最高裁は25日、殺害に関与したとして起訴された被告4人全員を無罪としたモスクワ(Moscow)の裁判所の判決を破棄し、審理のやり直しを命じた。

 インタファクス(Interfax)通信によると、陪審が無罪評決を出した今年2月の裁判では、審理の過程で「評決を左右する深刻な違反行為があった」ためという。最高裁の報道官はAFPの取材に、再審理は新たに陪審団を組んで行うと話した。

 これに対し、ポリトコフスカヤさんの遺族は、審理やり直しではなく、事件の捜査を一からやり直す必要があるとして裁判所の決定を非難している。

 ポリトコフスカヤさんは2006年10月7日、モスクワの自宅アパートで射殺された。2月の裁判で起訴された4人の被告は、いずれも殺害の実行・指示の罪には問われておらず、人権団体などからは迷宮入りを懸念する声が上がっている。(c)AFP/Olga Rotenberg