【6月25日 AFP】ドイツ警察が22日、60-79歳の5人を誘拐の容疑で逮捕し、くしくもドイツ社会が抱える高齢化問題を浮き彫りにする結果となった。

 事件が起きたのはオーストリア国境に近いキーミング(Chieming)。警察の特殊部隊が20日の明け方、同地の家の地下室に突入し、56歳の男性を救出するとともに、60歳、63歳、66歳、74歳、79歳の男5人を拘束した。60歳の男は米国人だという。

 被害者の男性は前週、独西部ハイデルベルク(Heidelberg)近郊のシュパイヤー(Speyer)で行方が分からなくなった。警察の捜査によれば、5人のうち60歳と79歳の2人がこの男性を待ち伏せて襲撃し、テープでぐるぐる巻きにして車のトランクに押し込んだとみられる。その後男性は、17日早朝に450キロ以上離れたキーミングに移動させられ、地下室に4日間監禁されていた。

 警察によると、男性は犯人たちがたばこ休憩をとっている間に逃走を試みたが失敗。発見された時には肋骨が2本折れ、あざだらけだったという。

 誘拐は身代金目的で、男性に電話をかけるよう命じたことが、計画の破たんを招いた。通話の相手が異常に気付き、警察に通報。犯人グループの逮捕につながったという。(c)AFP