【6月18日 AFP】北アイルランドのベルファスト(Belfast)南部で、同地在住のルーマニア人に対する移民排斥運動とみられる襲撃事件が相次ぎ、ルーマニア人家族100人以上が16日夜、教会に避難した。17日現在は近隣のレジャーセンターに移り、避難生活を続けている。

 英BBC放送によると、避難したのは5歳の子どもを含む20家族115人で、当初は1つの家に集まって襲撃をしのいでいたが、人数が多くなりすぎたため教会に助けを求めたという。

 同地域では、3月末にベルファストで2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の予選が開催されたころから、たびたび移民排斥とみられる暴力事件が起きていた。

 こうした中、地元住民らは15日、人種差別に反対するデモを行ったが、そこへ若者の一団がビンなどを投げつけ、ナチス(Nazis)式の敬礼などをした。また、ルーマニア人らに対する脅迫もあり、この日1日だけでルーマニア人家族の住宅3軒が相次いで襲撃を受けた。教会の牧師によると住宅に石が投げつけられたり、窓が割られたりしたという。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は16日、襲撃を非難。北アイルランド当局も同日夜、緊急会合を開くなど、関係当局が対応を協議している。(c)AFP