【6月7日 AFP】(一部更新)中国・四川(Sichuan)省で5日、27人が死亡、74人が負傷した路線バスの炎上について、当局は初動捜査や目撃者による証言の結果、放火との疑いを強めている。

 5日午前8時(日本時間同9時)ごろ、四川省成都(Chengdu)市で満員だったバスが突然炎上した。火はバスの中から発生し、またたく間に車両全体が炎に包まれた。

 国営新京報(Beijing News)によると、同市交通局の広報担当者は6日の記者会見で、「自然発火あるいは機械故障の可能性は排除した」ことを明らかにした。バスの燃料タンクは燃えずに残っていることから捜査班は、炎上を引き起こした可燃性の液体はバスから漏出したものではないと結論づけた。

 犠牲者の大半は、ドアが開かなかったため車内に閉じ込められた。また窓もすべて、エアコン調整のために後部の一部を除いては開かない状態になっていた。重慶晩報(Chongqing Evening News)によると、大きな爆発とともに炎が上がり、車内が吹き飛ばされる前にガソリンの臭いがしたり、床に液体が流れているのを見たと、複数の生存者が証言している。

 またバス後部にいた別の乗客は、液体の入ったびんを持った男を見たと証言している。男は車内の床にびんを投げ捨てるとすぐに後部の窓から車外に飛び出て、その直後にバスが炎上したという。

 これに先立ち報じられた国営ラジオの情報によると、死者25人のうち15人の身元が確認できていない。また負傷者のうち20人は重体だという。バスの車内にいた人で無傷で脱出できたのは運転手を含め、わずか10人前後と報じられている。(c)AFP