【6月6日 AFP】イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(72)は5日、スペイン全国紙パイス(El Pais)に掲載された自身の別荘で撮影されたトップレスの女性と裸の男性が日光浴する写真について、「やましいところはない」と述べた。一方、首相の弁護士は同紙を告訴する方針を示した。

 問題の写真は、イタリアで欧州議会選の投票が行われる前日に掲載された。この選挙は、スキャンダルの影響がベルルスコーニ首相の人気にどれだけ影響を与えたかの試金石となる。

 夫人との離婚問題、10代の女性モデルとの関係などすでにスキャンダルの渦中にある同首相だが、今回掲載された写真については「やましいところはない」と主張。「写真には私邸でジェットバスに入っている人たちが写っているが、パーティーの招待客に対するもてなしの一つだ」と説明した。

 掲載された写真は、ベルルスコーニ首相がプライバシーの侵害だとして公開差し止めを求め、イタリア当局が押収した写真数百枚の中の一部だった。

 一方、チェコのニュースサイトAktualne.czは、ミレク・トポラーネク(Mirek Topolanek)前首相が、「写真に写っているのは私だが修正されている。本物ではない」と、写真に写っている男性が自分であることを認める発言を掲載している。さらに、「写真には間違ったことや人に見られては困ることは何もない。プライベートな休暇に私的な場所でしたことだ」と潔白を主張し、写真撮影を「プライバシーに土足で踏み込む行為」だと批判した。

 ベルルスコーニ首相の弁護士Niccolo Ghedini氏は5日、AFPに対し、パイス紙を告訴すると述べた。「ローマの検察当局はこれらの写真が非合法的に撮影されたものだとの判断を下した。攻撃による産物であり、販売されるべきではない。買う人も軽犯罪者だ」

 一方、パイス紙側は法的措置については知らされておらず、写真を掲載したのは公共の利益のための決断だったと述べた。

 イタリアのプライバシー権利擁護団体は国内メディアに対し、私邸にいる人の画像を合意なしに使うのは違法だと説明し、パイス紙に掲載された写真はこのルールに則っていないと指摘した。(c)AFP/Emmanuelle Andreani