【5月21日 AFP】(一部更新)米連邦検察当局は20日、ニューヨーク(New York)市で、シナゴーグ(ユダヤ教会)爆破や米軍機の撃墜などを計画していたとして、男4人を逮捕したと発表した。4人とも米国生まれでイスラム教徒だという。容疑者らは罪状認否のため、21日に出廷する。

 ニューヨーク連邦地裁によると、4人は「市内ブロンクス(Bronx)地区のリバーデール(Riverdale)にあるシナゴーグ付近での爆破計画を立てた」容疑で逮捕された。また、ニューヨーク州ニューバーグ(Newburgh)スチュワート空港(Stewart Airport )内にある州空軍基地に所属する軍用機を、携行式地対空ミサイル「スティンガー(Stinger)」で撃ち落とす計画も立てていたという。

 有罪になれば最低で禁固25年、最高で終身刑が言い渡される可能性がある。

■容疑者らは米国生まれ

 容疑者らの氏名は、ジェームズ・クロミティー(James Cromitie)、デービッド・ウィリアムズ(David Williams)、オンタ・ウィリアムズ(Onta Williams)、ラゲール・ペイエン(Laguerre Payen)と確認されている。4人ともニューバーグ在住だという。

 デービッド・パターソン(David Paterson)ニューヨーク州知事によると、4人のうち3人がアラブ系、1人がハイチ系で、4人ともアラブ風の仮名を使っていたという。また同州選出のピーター・キング(Peter King)下院議員によると、4人ともイスラム教徒で、刑務所に入所中に改宗した容疑者もいるという。

■FBIのおとり捜査で発覚

 計画は、1年以上に及ぶ米連邦捜査局(FBI)のおとり捜査で発覚した。

 逮捕状請求事由によると、FBIのおとり捜査官が2008年6月、初めてクロミティー容疑者とニューバーグで接触。その際、クロミティー容疑者は米国がアフガニスタンで主導する軍事行動に怒りを表し、「米国に対して何かをする」ことに興味を示していたという。

 2008年10月以降、この捜査官はFBIが録音・録画装置を仕掛けた住宅で、クロミティー容疑者や他の3人と定期的に会うようになった。

 検察によると、容疑者グループはニューヨークにある標的を攻撃したいとの「強い希望」を示し、クロミティー容疑者がおとり捜査官に「地対空ミサイルと爆発物」の提供を要請。捜査官は、「偽のミサイルと爆発物」を渡した。

 2009年4月、グループはシナゴーグを攻撃対象にすることで一致し、空軍基地で戦闘機を撮影するなどの下調べを行ったとされる。(c)AFP/Luis Torres de la Llosa