【5月12日 AFP】仏南部のアルプス山脈(Alps)でキャンプ中だったネパール代表スキー・チームから抜け出し、行方不明になっていた17歳の選手が、パリ(Paris)の街中をさまよっていたところを発見されたと、チームの広報担当者が11日明らかにした。米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)上での大々的な捜索キャンペーンのおかげで、発見に至ったという。

 失踪したのは、ウッタム・ラヤマジ(Uttam Rayamajhi)君(17)。前月27日、ネパール・チームの存続に関わる資金問題をめぐった口論に腹を立て、仏南部レザルク(Les Arcs)のキャンプ地を飛び出した。ラヤマジ君はフランス語も英語も話せず、お金も携帯電話も持たずに出て行った。大都市の経験もまったくないため、行方が心配されていた。

 このニュースを知り、フェースブック上で捜索キャンペーンを始めたのが、アルペンスキー世界選手権2009でネパールチームの渉外係を務めたフランス人学生、トム・バレーズ(Tom Baraize)さんだ。開始から1週間足らずで、コミュニティーには400人以上の参加があったという。

 そして、チームによると、ラヤマジ君はこのほど、パリ市内のバスチーユ広場付近で発見された。キャンペーンのことを知っていた人が彼の姿を見かけ、彼に、ネット上に掲載された行方不明のニュースを見せたという。

 ラヤマジ君は、発見されるまでの間、フランス国内を数百キロにもわたり放浪してきた。その間、警官に数度にわたり尋問されたが、有効なビザを持っていたため、拘束されることはなかった。チームは、声明の中で「彼は地元の人々のさまざまな好意により、生きのびることができた」と述べている。

 ラヤマジ君は、自分がいなくなるとチームへの資金提供が危うくなることや、チームメートが来たるバンクーバー冬季五輪に出場できなくなることを知り、チームへの復帰に合意した。

 リチャード・モーリー(Richard Morley)前コーチが、ラヤマジ君とエッフェル塔(Eiffel Tower)で待ち合わせ、チームに連れ帰ることになっている。(c)AFP

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