【5月5日 AFP】(一部更新)トルコ南東部マルディン(Mardin)県で4日、結婚式に銃で武装した男らが乱入し、ベシル・アタライ(Besir Atalay)内相によると少なくとも45人が死亡、6人が負傷した。背景には対立する一族間の抗争があるとの観測が出ている。

 ミリエト(Milliyet)紙のウェブサイトによると、現場はシリア国境から数十キロの小村ビルゲ(Bilge)で、イスラム教指導者が結婚の儀式を始めたところ覆面をした男4人が四方から乱入。手りゅう弾を投げ込んだあと銃を乱射した。

 その後襲撃犯らは数件の家に押し入って銃撃を続けた。犠牲者の多くは、女性や子どもたちだったという。地元当局者は生き残った19歳の女性の証言として、襲撃犯は女性や子どもをある家の1つの部屋に集めて銃を乱射したと語った。襲撃犯らは夕闇にまぎれて現場から逃走した。当時は砂嵐で視界が悪かった。

 アナトリア通信(Anatolia)によれば、この村には32世帯が暮らしており、全員が同じ一族だという。

 事件後、現場付近は封鎖され、軍が出動して犯人らの行方を追っている。ベルゲ村の若い男性の多くは、クルド人独立国家樹立を目指す武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers' PartyPKK)と戦うために政府が組織した民兵のメンバーだという。

 クルド人が多数を占めるトルコ南東部では流血事件が絶えない。古い時代からの因習が根強く残り、識字率が低いうえ、紛争の解決や名誉を守る手段として銃の使用を正当化する人も多い。抗争の原因は、土地をめぐる争い、借金問題、強制結婚目的の少女拉致などさまざまだ。(c)AFP/Mahmut Bozarslan