【4月24日 AFP】(一部訂正)中国の都市部で法令の順守状況を監視する「城管(Cheng Guan)」と呼ばれる治安維持要員向けに当局が作成した、「証拠を残さずに違反者を殴打する方法」などが記載されたマニュアルの一部が23日、インターネット上に流出し、地元メディアやブログなどで怒りの声が上がっている。

 流出したマニュアルは、城管の北京(Beijing)支部が作成したもの。ウェブサイトに抜粋掲載された内容によれば、「相手の人物の顔から血を流させてはいけない。目に見えるけがをさせてはいけない。目撃されてはいけない。素早く実行する」などの指示が記されている。

 こうした記述にインターネット上では、「彼らはごろつき以下だ」との非難の声が相次いでいる。

 城管は警察組織ではなく、街頭で地方条例などの順守状況を監視しており、主に露天商やダフ屋などを取り締まっている。しかし、要員の暴力事件がたびたび報じられ、論争の的になっている。過剰な暴力で死者が出ることもあり、廃止を求める意見もある。

 複数の国営新聞や国営ウェブサイトは社説で、マニュアルについて、城管は無法組織だとの一般市民の認識が事実だと認めるようなものと指摘。「やくざ化しつつある」組織だと評したメディアもあった。

 城管側はウェブサイトに声明を掲載し、流出したマニュアルは2006年に内部向けに作成されたものだとを認める一方、殴打方法などをめぐる訓練は一切行われていないと強調。「しかしながら、完成したマニュアルを確認したところ、不適切な文言が一部含まれていることが明らかになった」と弁明した。

 城管をめぐっては08年1月、湖北(Hubei)省天門(Tianmen)市で、ゴミ問題で地元住民らと城管がトラブルになった際、住民らを殴っていた城管要員の集団を撮影した男性が、城管要員から暴行を受け死亡する事件が起きている。(c)AFP