日系米国人記者裁判、「公正な対応を」とイラン大統領
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【4月19日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は19日、米国のスパイとして禁固8年の判決を受けた日系米国人ロクサナ・サベリ(Roxana Saberi)さん(31)について、公正な対応をするよう求めた。国営イラン通信(IRNA)が伝えた。
IRNAによると、アフマディネジャド大統領は、サベリさんの審理と、昨年11月以降拘束されているイラン系カナダ人ブロガーの審理の2つについて、テヘラン(Tehran)の検察官に詳細を検討するよう指示した。イラン大統領の司法手続きへの介入はまれ。
Abdolreza Sheikholeslami大統領首席補佐官は、Saeed Mortazavi検察官に宛てた書簡で、「大統領の強い要望により、公正さを保つために必要なことをやらなければならない。それは、これらの人物に対する起訴内容を詳細に検討するということだ」と伝えた。
また、同書簡では、「被告人は、起訴内容に対し、弁護するあらゆる法的な自由と権利を持っているということに注意しなければならない」と述べられていた。
米国の美人コンテストで優勝したこともあるサベリさんは、米国のためにスパイ行為をはたらいたとしてイラン革命裁判所に起訴され、非公開裁判で禁固8年の判決を言い渡されていたことが、18日に明らかになった。
米国生まれで日系人のサベリさんは、米公営ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR、National Public Radio)や英BBC放送、米FOXニュース(Fox News)などの記者として働き、イランに6年間滞在していた。
しかし、今年3月にイラン外務省は、サベリさんの記者証は2006年に無効となっており、それ以降イランで「違法に」働いていたと発表した。
前月には、サベリさんの両親が、サベリさんの精神状態が「危険な状態」だとしてイラン最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師にサベリさんの釈放を嘆願していた。
イランの司法制度では、殺人は報復の権利が認められているため例外だが、それ以外の場合には、有罪判決を受けた被告人に恩赦を与えることができるのは最高指導者に限られている。(c)AFP/Hiedeh Farmani