【4月16日 AFP】コロンビア警察は15日、同国最大の麻薬密売組織トップ、ダニエル・レンドンエレラ(Daniel Rendon Herrera)容疑者(43)を拘束した。治安部隊出身の同容疑者は、大規模な私兵部隊を率いており、210万ドル(約2億800万円)の懸賞金もかけられていた。

 レンドン容疑者は、北西部アンティオキア(Antioquia)州Necocli近郊で拘束された。同州の州都メデジン(Medellin)は、長らくコロンビアの麻薬密売の中心地であり、レンドン容疑者の活動拠点とみられていた。

 警察当局によると、今月6日にレンドン容疑者の側近1人を含む18人の麻薬密売組織メンバーが逮捕されたことがきっかけとなって同容疑者の拘束が実現したという。

 「ドン・マリオ(Don Mario)」の通称で知られる同容疑者は、同国の左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」の協力を得て、麻薬や武器類をコロンビア北部のジャングルを利用してパナマに密輸させていた。また、警察によると、メキシコの麻薬組織などとも連携し、南米各地に大量の麻薬を密輸していたという。

 レンドン容疑者は、現在は解散したコロンビアの右派民兵組織「コロンビア自警軍連合(United Self-Defense Forces of ColombiaAUC)」の出身者を中心とした、1500人規模の強力な私兵部隊を率いていた。

 複数の情報筋がAFPに明かしたところによると、コロンビアのアルバロ・ウリベ(Alvaro Uribe)大統領は、レンドン容疑者とFARCとの関係から、同容疑者の逮捕を最優先事項にすることを命じていたという。

 フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)コロンビア国防相によると、レンドン容疑者は米国に移送される見込みだという。米国は、同容疑者が米国内にコカイン1トンを密輸入していたとして指名手配していた。(c)AFP