【4月6日 AFP】米ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)から南へ100キロのグラハム(Graham)で4日、妻から一方的に別れを告げられた男が5人のわが子を射殺したのち、自殺するという事件が発生した。

 ピアス(Pierce)郡保安官事務所によると、ジェームズ・ハリソン(James Harrison)容疑者(34)は4日朝、自宅のトレーラーハウス内で7歳から16歳までのわが子5人を射殺後、近くのカジノまで車を運転し、車内でライフル銃を使って自殺した。

 これまでの捜査によると、行方不明になった妻を捜していたハリソン容疑者は3日、コンビニエンスストアで別の男性と一緒にいる妻を発見。妻からその場で別れ話を切り出されていたという。

 近所の人からの通報で警察が現場に駆け付けたところ、ベッドルームで4人、バスルームで1人の子どもの遺体を発見。なかには数発の銃弾を受けている遺体もあったという。ハリソン容疑者の遺体は、車内でライフル銃で頭を撃ち抜いた状態で発見された。車のエンジンはかかったままだったという。

 米国では、大量射殺事件が過去3週間で6件も発生している。銃乱射事件の続発は「米国経済の低迷」に関連していると、ノースイースタン大学(Northeastern University)の犯罪学者、ジャック・レヴィン(Jack Levin)教授は分析する。教授によると、仕事や大金、人との関係性などを失うといった破滅的な喪失感が大量殺人への動機や要因につながる傾向があるという。

■「経済危機」が背景?最近米国で発生した銃乱射事件

3月10日
アラバマ(Alabama)州で、失業した男が母親と祖母を含む計10人を射殺

3月29日
ノースカロライナ(North Carolina)州カーセッジ(Carthage)で、高齢者施設に乱入した男が銃を乱射し8人が死亡。

3月29日
カリフォルニア(California)州シリコンバレー(Silicon Valley)近郊の新興住宅地で、無理心中とみられる銃撃事件が発生、6人が死亡した。

4月3日
ニューヨーク(New York)州ビンガムトン(Binghamton)の移民センターで、失業したばかりの男が銃を乱射し13人が死亡。犯人はその場で自殺。

4月4日
ペンシルベニア(Pennsylvania)州ピッツバーグ(Pittsburgh)で銃で武装した男と警官との間で銃撃戦が発生し、警官3人が死亡。

(c)AFP