【3月23日 AFP】ロシアで23日、2014年の冬季五輪開催地、ソチ(Sochi)の市長を目指している現政権反対派のボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)氏が、何者かにアンモニアを含んだ液体を顔に投げつけられた。ネムツォフ氏の広報が語った。

 ネムツォフ氏の広報担当者Olga Shorina氏によると、ネムツォフ氏は、ソチ市にある選挙キャンペーン本部へ向かう途中で、3人の人物に「塩化アンモニウム臭の液体」をかけられた。

 液体はネムツォフ氏の目に入ったが、目が充血した程度で健康に支障はないという。ネムツォフ氏は、ただちに液体を洗い落とした後、記者会見を開いた。

 ネムツォフ氏は、政府予算推計120億ドル(約1兆2000億円)が拠出される2014年冬季五輪の開催地となったソチ市の市長の座を十数人のライバルと競っている。

 旧ソ連の国家保安委員会(KGB)の工作員、アンドレイ・ルゴボイ(Andrei Lugovoi)氏も、市長選に出馬する可能性が高い。同氏は、ロシア連邦保安局(FSB)の元職員、アレクサンドル・リトビネンコ(Alexander Litvinenko)氏がロンドン(London)で殺害された事件で、英国が身柄引き渡しを要求している。

 ネムツォフ氏は、23日付のノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)紙に掲載された大統領宛ての公開書簡で、「ソチ市は、五輪インフラの建設ラッシュでおきる大規模建設や環境対策、輸送などの準備が物理的にできていない」と述べ、ソチ市の五輪開催に向けた準備が不十分だとして批判していた。(c)AFP