【3月11日 AFP】イラク高等法廷は11日、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元イラク大統領の側近で、外相なども務めたタレク・アジズ(Tareq Aziz)元副首相(73)と、いとこで側近だった「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」ことアリ・ハッサン・マジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相に対し、1992年にバグダッド(Baghdad)の商人42人を処刑したとして、人道に対する罪で禁固15年を言い渡した。

 両被告には死刑判決の可能性があった。

 また、故フセイン元大統領の異父兄弟のワトバン・イブラヒム・ハサン(Watban Ibrahim al-Hassan)元内務相とサバウィ・イブラヒム(Sabawi Ibrahim)治安長官は、「計画殺人」と「人道に対する罪」で死刑を言い渡された。

 元大統領秘書官のAbed Hamud被告は終身刑、バース(Baath)党幹部のMezbane Khedhr Hadi被告は禁固15年、元財務相は禁固6年を言い渡された。一方、イラク中央銀行の元総裁は無罪となった。

 殺害された商人らは、1990年のクウェート進攻を受けた国連(UN)の制裁下で、違法行為で利益を取得していたとして罪に問われ、処刑された。

 マジド被告は2日にも、10年前にシーア(Shiite)派イスラム教徒を殺害したとして、人道に対する罪で3度目の死刑判決を下されていた。一方、アジズ被告は無罪を言い渡されていた。(c)AFP/Ammar Karim