【2月28日 AFP】米ルイジアナ(Louisiana)州で、オウム1羽とわずかな現金を得るために、育てていた幼児2人を引き渡した女性が逮捕された。事件を担当した刑事が27日、明らかにした。

 捜査を率いたキース・デュプリ(Keith Dupre)刑事によると、逮捕されたのは、長距離トラックの女性ドライバー、ドナ・グリーンウェル(Donna Greenwell)容疑者(51)で、育てていた4歳と5歳の幼児を他人に譲り、こともあろうかコカトゥーと呼ばれるオウム1羽と175ドル(約1万7000円)を受け取ったとして逮捕されたという。10万ドル(約980万円)の保釈金が設定されたが払い込みがないため、グリーンウェル容疑者は現在、拘置されている。

 事件の発端は、数週間前グリーンウェル容疑者が配達のためにある家畜仲買人を訪れた時にさかのぼる。

 仲買人の事務所に張ってあったチラシで、グリーンウェル容疑者は、ブランディー・リン・ロメロ(Brandy Lynn Romero)容疑者(27)と夫のポール・ロメロ(Paul Romero)容疑者(46)がオウムを1500ドル(約14万6000円)で売ろうとしていることを知った。

 以前から鳥を飼育していたグリーンウェル容疑者は写真に添えられた電話番号にさっそく電話し、オウム購入の話をした。ロメロ夫婦に子どもがいないことを知ったグリーンウェル容疑者は、鳥と幼児を交換する話を始めた。そうしてグリーンウェル容疑者は5歳の男児と4歳の女児を夫妻に引き渡し、オウムと175ドルを手に入れることで双方が合意したという。

 デュプリ刑事によると、ロメロ夫妻は悪いこととは知りつつ、子どもを持てるという喜びに圧倒されたのだという。夫妻は10年間子どもを望んでいたが授かることができなかった。

 ロメロ夫妻も悪質な誘拐罪の容疑で逮捕されたものの、性犯罪、窃盗、強盗などの犯罪歴を持つグリーンウェル容疑者よりも格段に低い保釈金で保釈されている。

 この事件でさらに奇妙な点は、巻き込まれた幼児2人がグリーンウェル容疑者の実の子どもではなかったということだ。

 デュプリ刑事は、「幼児2人は両親の別居後母親に育てられていが、生活が苦しかったため、この母親がグリーンウェル容疑者にしばらくの間、子どもたちの面倒を見るよう依頼していた」と語った。

 男児と女児は福祉施設に引き取られ、すでに里親のもとで「手厚く面倒が見られている」という。(c)AFP