【2月28日 AFP】米国で、エイズウイルス(HIV)に感染している自らの血液を付着させた手紙をバラク・オバマ(Barack Obama)大統領あてに送ったとして、知的障害のあるエチオピア難民の男が逮捕されていたことが、裁判書の記録から明らかになった。

 Saad Bedrie Hussein被告は、捜査官に対し、オバマ大統領の就任式への招待状を手に入れようと、オレンジ色の粉末やクリスマスカード、裏に自らの電話番号が書かれたバリ(Bali)島で撮影した自身の写真などが同封された手紙を送ったと供述した。

 Saad被告は捜査当局に対し、「カミソリで指を切り、血液を手紙に塗りつけた」と供述したという。Terry Cullivan郵政監察官が署名した告発状では、同被告は「HIVに感染していると語っており、政府に助けを求めるために一連の行為を行った。HIVに感染しているという事実は兄弟にも確認ずみ」とされている。

 手紙はオバマ大統領あてだったが、前年12月29日にイリノイ(Illinois)州スプリングフィールド(Springfield)にある同州の高齢化対策局に届けられた。手紙には同被告の返信用住所も書かれていた。

 手紙が送付された際、同局では建物全体が約2時間にわたって封鎖され、危険物処理班が手紙に同封されていた粉末の検査を行う事態となった。

 Saad被告は捜査当局に対し、手紙に同封した粉末が何であるのか覚えていないと供述しているが、分析の結果、この粉末はプロテイン飲料の粉末だったことが明らかになった。

 Saad被告は1月12日に、「誰かを殺傷する目的で」血液を付着させた手紙を送付した罪と、「郵送が禁じられている物品」を投函した罪で起訴された。(c)AFP