【2月20日 AFP】ロシア極東海域で前週末、中国の貨物船「New Star」がロシア軍沿岸警備隊の銃撃を受け複数の船員が死亡する事件が起き、ロシア政府は19日、責任は貨物船の船長にあると非難した。

 これに先立って中国政府は同日、ロシア側に対し、事件の徹底調査と行方不明者の捜索を求めていた。

 露インタファクス通信(Interfax)によると、「New Star」は中国船籍で、中国人10人、インドネシア人6人が乗り組み、シエラレオネ国旗を掲げていた。ロシアの報道によれば、「New Star」はナホトカ(Nakhodka)に寄港した際に密輸の容疑で出航を認められず、強引に出航したという。事件で乗組員8人が死亡したとされるが、中露両当局は確認していない。

 ロシア外務省はロシア通信(RIA Novosti)に対し、威嚇射撃などあらゆる手段を取ったにもかかわらず、貨物船が指示に従わず航行を続けたと説明。「悲惨な結末を遺憾に思う。しかし、責任は、全く無責任な行動を取った貨物船の船長にある」と述べた。

 インターネット上で公開された事件の様子を映したとされる映像には、ロシア沿岸警備隊の隊員とみられる男の声が繰り返し「New Star」に停止を呼びかける声が録音されている。また、中国国営紙「環球時報(Global Times)」は、沿岸警備隊は貨物船に対し、500回以上も発砲したと報じている。(c)AFP