【2月11日 AFP】麻薬絡みの殺人事件が多発しているメキシコで、9日夜から10日にかけて、24時間以内に35人以上が殺害された。

 米国との国境の街、北部チワワ(Chihuahua)州シウダフアレス(Ciudad Juarez)から南に約130キロのVilla Ahumadaで10日、9人を誘拐した麻薬組織と軍の間で銃撃戦となった。この際、麻薬組織が人質6人を殺害したほか、銃撃戦で麻薬組織メンバー14人、政府軍兵士1人が死亡した。

 チワワ州ではこのほかにも同日、シウダフアレスで赤十字によって病院に搬送される途中に1人が殺されるなど10人が殺害された。

 さらにバハ・カリフォルニア(Baja California)州でも家を出たパイロット1人が機関銃で撃ち殺された。治安当局は、殺害方法から麻薬組織の犯行だとみている。

 このほかメキシコ北部で9日夜、刑務所を武装集団が襲撃し服役囚3人を殺害し、9人を脱獄させた。

 メキシコ政府は兵士3万6000人を投入し麻薬組織の取り締まりを強化しているが、公式な統計によると、2008年にメキシコでは麻薬組織の抗争などで5300人が死亡、1000人あまりが誘拐されている。誘拐された人の家族が警察に届けずに犯人グループと直接接触するケースも多いため、実際に誘拐された人の数は公式統計の3倍近いという専門家もいる。(c)AFP