【2月7日 AFP】米国防総省の特別軍事法廷招集権者、スーザン・クロフォード(Susan Crawford)判事は5日、2000年10月にイエメンで起きた米海軍駆逐艦「コール(USS Cole)」爆破事件に関与したとして、キューバ・グアンタナモ(Guantanamo)の米海軍基地に設置された特別軍事法廷が審理しているサウジアラビア人、アブド・ラヒム・ナシリ(Abd al-Rahim al-Nashiri)被告の起訴を取り下げた。同省のジェフ・モレル(Geoff Morrell)報道官がAFPに対し、明らかにした。

 一方、同省のジェフリー・ゴードン(Jeffrey Gordon)報道官は、「今回の起訴取下げは、事後の裁定に影響を及ぼす決定ではない。したがって、再起訴は可能である」との見解を示した。

 クロフォード判事の決定により、ナシリ被告の審理は当面中断されるが、この決定は、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が就任直後に発表した、グアンタナモ基地に収容されているテロ容疑者に対する訴追手続きを120日間延期することを命じた大統領令に沿ったものだ。

 大統領の指示に基づき、軍検察当局は特別軍事法廷に訴追手続きの延期を要請したが、駆逐艦コール爆破事件の担当判事、ジェームズ・ポール(James Pohl)陸軍大佐は同裁判の延期要請を拒否していた。

 軍検察当局はナシリ被告に対して死刑を求刑しており、同被告の審理は、9日に予定されていた。特別軍事法廷では、ナシリ被告の審理だけが、延期されていなかった。(c)AFP