【2月3日 AFP】中国・上海(Shanghai)で、テレビ番組をまねて不動産会社役員を誘拐し身代金580万元(約7600万円)を奪った4人組の無職の男らが逮捕された。英字紙「上海デーリー(Shanghai Daily)」が2日、報じた。

 報道によると、リーダー格の元宝石商、リウ・ユピン(Liu Yuping)容疑者(27)は、職を求めて前年10月に河南(Henan)省から、同じ村の仲間3人とともに上海に出てきたが、仕事は一向に見つからなかった。一文無しでの帰郷を屈辱的だと思いつめたリウ容疑者は、無職の男が誘拐事件を企てるテレビ番組を見て、「これを真似れば、大金を手にできる」と考え、仲間と高級車に乗っている人間を探してまわったという。

 その結果、深夜にBMWを1人で運転して帰宅する不動産会社役員の男性に目をつけた。そしてリウ容疑者らは前年11月25日、おもちゃの拳銃2丁で「武装」し、男性を自宅近くで襲い、浙江(Zhejiang)省近くの隠れ家に連れ去った。

 家族が身代金を払ったため、男性は1週間後に解放され、事件を警察に通報。警察は故郷に帰り家族らと春節(旧正月)を祝っていたリウ容疑者らを逮捕した。身代金は役員男性に返還されたという。

 リウ容疑者は、「誘拐が重大な犯罪だとは知らなかった」と弁解している。(c)AFP