チェチェン少女殺人事件の弁護士と反体制派記者、白昼のモスクワで射殺される
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【1月20日 AFP】ロシア・モスクワ(Moscow)中心部で19日、ロシア軍元大佐によるチェチェンの少女誘拐・殺人事件を担当していた弁護士が、覆面をした男らに射殺された。一緒にいた反体制派新聞ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)紙の女性記者も頭部を撃たれ、搬送先の病院で死亡した。
司法当局によると、射殺されたのは弁護士のスタニスラフ・マルケロフ(Stanislav Markelov)氏。また、マルケロフ氏と共に撃たれ重体となっていたアナスタシア・バブロワ(Anastasiya Baburova)さんについても、ノーバヤ・ガゼータ紙が同日夜、死亡を確認した。
マルケロフ氏は、2000年に当時のロシア軍大佐がチェチェンでエリザ・クンガエワ(Elza Kungayeva)さん(当時18)を誘拐し絞殺した事件の遺族側の代理人。この事件でロシア軍が組織的に行ったチェチェン人への虐待に注目が集まった。また、バブローワさんはノーバヤ・ガゼータ紙で、ロシアにおける人種差別や超愛国主義の問題などの記事を書いている。2006年に暗殺されたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)さんは生前、同紙の編集長を務めていた。
2人はこの日、同事件の現状報告の記者会見を終えたところで、人通りの多い路上で覆面の男らに銃撃された。クンガエワさんの父親によれば、マルケロフ氏は最近、殺害するとの脅迫を受けていたという。
チェチェン少女を殺害したロシア軍元大佐は2003年に10年の禁固刑を受け服役していたが、16日、早期釈放された。チェチェンでは早期釈放に対する抗議活動が起きていた。(c)AFP/Nick Coleman