【1月17日 AFP】今月26日の春節(旧正月、Lunar New Year)を控え、帰省ラッシュが始まっている中国で、鉄道会社の職員が、殺到する一般客たちを尻目に、切符をダフ屋に販売するための準備をする動画がインターネット上に投稿され、問題となっている。

 動画共有サイトユーチューブ(YouTube)に投稿された動画では、北京(Beijing)駅のカウンターで、無表情の女性職員が、乗車券を買いに来た人びとを無視しながら、大量の乗車券を発券し数えている様子が映されている。

 動画の説明では、この女性はダフ屋に乗車券を売りさばくつもりであるとされている。ダフ屋は、春節の期間中の鉄道の需要の高まりを利用して巨利を得るとされており、中国では大きな問題となっている。

 動画には、「これは、遅かれ早かれ、社会不安を引き起こす導火線になる」と指摘するコメントがつけられている。

 鉄道の切符が手に入らないことによる不満の高まりを受け、胡錦濤(Hu Jintao)国家主席は14日、関係機関に切符の販売システムの立て直しを命じた。また、鉄道省は翌15日、ダフ屋の取り締まりを発表した。

 鉄道省当局者は動画中に出てきた女性職員を擁護する姿勢を示しているものの、15日の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)によると、鉄道省は職員に対し、ダフ屋との結託を防ぐため、現金や携帯電話をもって発券所に入ることを禁じる命令を出したという。

 今年の春節は今月26日で、中国政府はその前後40日間で、およそ1億8800万人が鉄道を利用するとみている。(c)AFP