【12月22日 AFP】麻薬組織絡みの殺人事件が多数発生しているメキシコで21日、「麻薬戦争」に関連して殺害されたとみられる男性9人の頭部が袋に入った状態で発見された。胴体部分は数時間後に、6体が頭部発見現場の近くで、3体がそこから約5キロ離れた場所で発見された。

 地元警察によると、9人の頭部は同日午前3時から4時(日本時間同日午後6時から同7時)にかけて、同国南部のゲレロ(Guerrero)州チルパンシンゴ(Chilpancingo)市で市内にあるショッピングセンター周辺で住民が発見した。犠牲者のうち7人はメキシコ軍兵士、1人は弁護士であることが分かったが、残る1人の身元は分かっていない。遺体には拷問の跡が確認された。

 警察関係者によると、頭部の入った袋の近くには「やつらがわれわれを1人殺すたびに、われわれはやつらを10人を殺す」という、麻薬取引との関連をうかがわせるメッセージが残されていた。

 メキシコ全土では今年、麻薬関連の抗争や襲撃事件で殺害された犠牲者がこれまでに5300人を超えた。政府は3万6000人の兵士を投入し、麻薬カルテルの取り締まりを強化しているが、効果が現れていない。(c)AFP