【12月20日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンノゼ(San Jose)で19日、テーザー(Taser)銃と呼ばれるスタンガンで警官に撃たれた男性(26)が死亡した。地元サンタクララ(Santa Clara)郡保安官事務所が明らかにした。

 事件が起きたのはサンノゼの病院で、けんかを仲裁するために警官らは出動した。頻繁に問題を起こしていたといわれる「サンホセ在住のヒスパニック系の男」を取り押さえようと警官がスタンガンを撃ったところ、男性は意識不明となった。直ちに心肺蘇生措置が取られ、救急病棟へ運び込まれたが、数分後に死亡した。郡保安官事務所は現在、初期捜査を行っている。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が16日発表した報告書によると、2001年から08年8月までに米国では、「テーザー銃」による攻撃を受けた334人が死亡した。このうち少なくとも50件については監察医や検視官が、「テーザー銃」によるショックが直接または間接の死因となっていると結論づけている。

 11月末、英政府は試験期間を経て、イングランド地方とウェールズ地方の警察にテーザー銃1万丁を配備する方針を決定したが、アムネスティはこれを批判した。現在、英国の警察官は通常、銃を携帯していない。

 またカナダでは、07年10月にバンクーバー(Vancouver)空港で40歳のポーランド系移民に警官がテーザー銃を発射し、この移民が数分後に死亡する事件があったが、今月12日、カナダの検察当局は警官4人を不起訴とした。(c)AFP