【12月1日 AFP】パプアニューギニア東部のオカパ(Okapa)地区の女性たちが、1986年から20年来続く部族間戦争を根絶しようと、男の子が生まれたらひそかに殺す習慣を10年前から行っていたことが明らかになった。豪ナショナル(National)紙が報じた。

 同紙によると、同地区のギミ(Gimi)では、長きにわたる部族間戦争で男手が減り、多くの女たちが育児もままならない状況にあるが、前週ゴロカ(Goroka)で行われた平和と和解のための集会で、2人の女性が「赤ちゃん殺し」を告白した。

 女性たちの話では、戦士となる男の子が生まれなければ、戦争に参加する男の数が減り、部族戦争そのものがなくなるとの考えから、村の女たち全員が約10年前、生まれた子が男児だった場合には例外なく殺すことで合意したという。

 具体的に何人の赤ちゃんが殺害されたかは不明だが、女性の1人は、息子を殺した母親は複数いると話した。同紙によると、この女性は「(赤ちゃん殺しは)許されざる犯罪だが、それが女として部族戦争を終わらせるためにできる唯一のことであり、そうするよりほかはなかった」と涙ながらに証言したという。(c)AFP