【11月22日 AFP】米国フロリダ(Florida)州在住の若い男性が、ウェブカメラの前で致死量の薬を飲んで自殺した。その模様はネットにリアルタイムで公開され、他人が見ることができる状態になっていた。21日、地元警察と地元メディアが明らかにした。

 同州ブロワード(Broward)郡当局によると、この男性はマイアミ(Miami)に近いペンブローク・パインズ(Pembroke Pines)に住むアブラハム・ビッグス(Abraham Biggs)さん(19)で、19日にほかの若者とオンラインで通信した状態のまま、3種類の薬を混合して飲んだ。男性が死ぬ様子を誰が見たかは明らかでないという。

 ブロワード郡警察のジョン・ガッツァーノ巡査は、ビッグスさんが「ウェブカメラの前で死に、それが配信されたことは確かだが、それ以外に発表できる詳しい情報はない。現在捜査中だ」と語った。

 マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)紙によれば、自殺の模様の動画はまずJustin.tvで生中継され、その後動画共有サイトYouTube.comに投稿された。いずれのサイトもすぐに問題の動画を削除した。

 ブロワード・カレッジ(Broward College)の数学教授である父親のアブラハム・ビッグス・Sr.( Abraham Biggs Sr.)さんは21日、自宅前で報道陣に対し「信じられない。できる限りのことはしたが、力が及ばず残念だ」と語った。19日の早い時間に新しいGPSシステムについて話した後、何時に帰宅するのか息子に尋ねられたのが、ビッグスさん親子が交わした最後の会話になったという。

 友人の1人はマイアミ・ヘラルド紙に亡くなったビッグスさんは「これまで私が会ったなかで一番すばらしい人だった」と語ったが、ビッグスさんは2004年に両親が離婚した後はガールフレンドとの関係や、無力感などで悩んでいたという。(c)AFP