【11月20日 AFP】ドイツ警察は19日、同国内で高齢者を対象に行っていた連続殺人犯の捜査を打ち切ると発表した。捜査の発端となった手紙が、精神科に通院歴のある男によるいたずらだと判明したからだという。

 何者かによる連続殺人を認める手紙が警察に届き始めたのは、数年前から。内容は、1962年の少女殺人事件や1970年の売春婦殺人事件など、1961-1992年に起きた11件の殺人事件について、犯行を認めるものだった。

 警察は手紙を本物と判断し、捜査当局を設置。今月初めには、フランスとの国境に近い小さな町に住む5000人以上の年金生活者を対象にDNA検査を実施し、犯人逮捕も目前と信じていた。

 ところが、警察が情報提供を求めて6日に一般公開した手紙の筆跡に、ある郵便局員が見覚えがあると通報。DNA検査はまったくの骨折り損だったことが明らかになった。

 警察が特定した34歳の男は、手紙はすべて自分が書いたものだと認めた。男の自宅アパートからは、1960年代から撮りためたとみられる未解決事件についての番組を録画したものが発見された。

 この男には、11月上旬から精神科の医院への通院歴があり、医師らは男が世間の注目を集める目的で手紙を書いたとの見方を示している。(c)AFP