【11月12日 AFP】イタリア最大の犯罪組織であり、最大の企業でもあるマフィアは、世界的な金融危機の影響も受けず、ばく大な利益を上げていることが明らかになった。同国の旅行・サービス部門の企業27万社が加盟する商業組合「Confesercenti」が11日、発表した。

 Confesercentiによると、2008年のマフィア関連事業の売上げ高は、イタリアのどの企業をも上回る1300億ユーロ(約16兆円)に上り、収益も700億ユーロ(約8兆6000億円)に近づきつつあるという。

 同組合のトップを務めるマルコ・ベントゥーリ(Marco Venturi)氏は、こうした事実はマフィアを「さらに危険な存在」にしていると語る。同氏によると、マフィアは現在の企業の業績不振や経済の先行き不安を利用して、勢力を拡大しようとしている可能性があるという。

 マフィアの主な収入源は、麻薬取引(590億ユーロ、7兆2000億円)や恐喝(90億ユーロ、1兆1000億円)、高利貸し(126億ユーロ、1兆6000億円)などだという。武器取引や密輸、管理売春などがそれに続く。また、住宅建設業や小売業、飲食業にも大きく食い込んでいるという。

 マフィアによる法外な利息の支払いを余儀なくされている商業関係者は、今年だけで約18万人に上るという。

 2007年9月には、イタリア産業連盟(コンフィンドゥストリア、Confindustria)が「pizzo」と呼ばれる、いわゆるマフィア税を支払っている企業の追放を決め、マフィアとの対決姿勢を示している。(c)AFP