【11月3日 AFP】イラク政府は2日、故サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領が所有していた豪華ヨットを売却すると発表した。イラク政府は、このヨットの所有権を今年7月に取り戻したばかりだ。

 1981年にデンマークで建造された全長82メートルのヨットは、複数のプールやモスクのほか、ミサイル発射台、小型潜水艦も装備されている。当初は船名に「サダム」の名前が入っていたが、実質的にイラクには引き渡されなかった。

 ヨットは前年末、ヨルダンのアブドラ国王(King Abdullah)が一部所有するSudeley社から、英ブローカーを通じて2350万ユーロ(約30億円)で売りに出された。だがフセイン元大統領の財産の返還を求めるイラク政府が今年1月、ヨットの法的な所有権が確定していないとして、フランスの裁判所に売却差し止め要求を提出していた。

 その後、ヨルダンが7月1日付けで所有権の主張取り下げを通告してきたため、同17日に駐仏イラク大使がヨットに出向き、イラク国旗を掲げた。

 ヨットは前年11月から、フランス南部ニース(Nice)の港に係留されている。(c)AFP