【10月30日 AFP】札幌で21歳の女性が、実の母親に小学生の時から8年間も自宅で軟禁状態に置かれていたことが分かった。市当局が30日、明らかにした。長女は長期間にわたる軟禁生活の影響で、発見時は自分自身で歩くことができず、言語機能にも障害が出ていたという。

 事件は女性が19歳だった2006年、この家から大声がするとの近隣住民の通報で発覚。女性は保護されたが、知的障害と認定されたため、現在は北海道内の福祉施設で治療を受けながら、小学校1年用の教科書を使って勉強しているという。

 時事通信(Jiji Press)によると、女性の母親には統合失調症の症状があり、学校や夫が娘に危害を加えると思いこんでいたという。

 別居していた夫は2005年、札幌市の保健福祉機関に娘の状態について相談していたが、福祉機関は母親に精神治療を受けさせるよう助言しただけで、自宅を訪問することはなかった。

 札幌市は、毎日新聞が30日に事件を報じたことから公表に踏み切った。(c)AFP