エジプト旅行者誘拐、人質解放状況の情報が錯綜
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【10月1日 AFP】前月19日、エジプト南西部サハラ(Sahara)砂漠を旅行中の外国人観光客ら19人が武装集団に誘拐され、10日後に全員が無事解放された事件で、人質となっていたドイツとイタリアの観光客は30日、それぞれ無事に欧州に戻った。
誘拐されていたのはドイツ人5人、イタリア人5人、ルーマニア人1人、エジプト人運転手8人の計19人。解放されたドイツ人とルーマニア人はエジプト・カイロ(Cairo)からチャーター機でドイツ・ベルリンのテーゲル(Tegel)国際空港に到着した。テーゲル空港では出番がなかったドイツの対テロ特殊部隊「GSG9」の隊員達が降り立つ姿も見られた。イタリア人観光客はイタリア北部のトリノ(Turin)に到着した。
エジプト当局によると30日未明、約30人の同国の特殊部隊が救出作戦を行い、人質を全員無事解放した。ムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)国防・軍需生産相は、犯人の半数が作戦で殺害されたと発表した。しかし、欧州の当局者は、作戦では暴力行為はほとんど、あるいはまったくなかったと主張している。
イタリアのANSA通信は、匿名の当局者の話として、エジプトの治安部隊が人質を解放した時には、すでに犯人は逃走していたため、流血沙汰にはならずに人質は救出されたと伝えている。
スーダンの国営スーダン通信(SUNA)は、犯人グループは解放前日、スーダン軍兵士と交戦し逃走したと報じている。スーダンの警察筋の話では、エジプトに向かう犯人グループをスーダン兵士が追跡したが、その際に人質は放置された。
人質となっていた運転手の1人シェリフ・ファルク・モハメド(Sherif Faruq Mohammed)さん(36)がAFPに語ったところによると、犯人グループがオフロード車を1台残していったため、人質全員はそれに乗り込み、すし詰めの状態で助けを求めて移動したという。モハメドさんは、犯人グループは「大半が子どもだった」と明らかにした。
モハメドさんは人質について、「われわれを殺すつもりがないのは明らかだった。大半が15-6歳くらいの子どもで、それより年上の男が数人いた」とし、「事件が終わりに近づいたころには、犯人グループは相当うんざりしていたようだ。『金はどこだ?金さえあればすぐ逃げるのに』と何度も繰り返していた」と語った。
イタリアのフランコ・フラティーニ(Franco Frattini)外相は、身代金の支払いを否定している。犯人グループは、ドイツ政府に対し600万ユーロ(約9億円)を支払うよう要求し、人質となっていたツアー企画者のドイツ人妻にそれを手渡すよう指示していたが、ドイツ政府はこの件についてコメントを控えている。
スーダン政府は、犯人グループは同国西部ダルフール(Darfur)の反政府組織「スーダン解放軍(Sudan Liberation Army、SLA)」一派に属していると述べたが、組織側は事件への関与を否定している。(c)AFP/Deborah Cole
誘拐されていたのはドイツ人5人、イタリア人5人、ルーマニア人1人、エジプト人運転手8人の計19人。解放されたドイツ人とルーマニア人はエジプト・カイロ(Cairo)からチャーター機でドイツ・ベルリンのテーゲル(Tegel)国際空港に到着した。テーゲル空港では出番がなかったドイツの対テロ特殊部隊「GSG9」の隊員達が降り立つ姿も見られた。イタリア人観光客はイタリア北部のトリノ(Turin)に到着した。
エジプト当局によると30日未明、約30人の同国の特殊部隊が救出作戦を行い、人質を全員無事解放した。ムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)国防・軍需生産相は、犯人の半数が作戦で殺害されたと発表した。しかし、欧州の当局者は、作戦では暴力行為はほとんど、あるいはまったくなかったと主張している。
イタリアのANSA通信は、匿名の当局者の話として、エジプトの治安部隊が人質を解放した時には、すでに犯人は逃走していたため、流血沙汰にはならずに人質は救出されたと伝えている。
スーダンの国営スーダン通信(SUNA)は、犯人グループは解放前日、スーダン軍兵士と交戦し逃走したと報じている。スーダンの警察筋の話では、エジプトに向かう犯人グループをスーダン兵士が追跡したが、その際に人質は放置された。
人質となっていた運転手の1人シェリフ・ファルク・モハメド(Sherif Faruq Mohammed)さん(36)がAFPに語ったところによると、犯人グループがオフロード車を1台残していったため、人質全員はそれに乗り込み、すし詰めの状態で助けを求めて移動したという。モハメドさんは、犯人グループは「大半が子どもだった」と明らかにした。
モハメドさんは人質について、「われわれを殺すつもりがないのは明らかだった。大半が15-6歳くらいの子どもで、それより年上の男が数人いた」とし、「事件が終わりに近づいたころには、犯人グループは相当うんざりしていたようだ。『金はどこだ?金さえあればすぐ逃げるのに』と何度も繰り返していた」と語った。
イタリアのフランコ・フラティーニ(Franco Frattini)外相は、身代金の支払いを否定している。犯人グループは、ドイツ政府に対し600万ユーロ(約9億円)を支払うよう要求し、人質となっていたツアー企画者のドイツ人妻にそれを手渡すよう指示していたが、ドイツ政府はこの件についてコメントを控えている。
スーダン政府は、犯人グループは同国西部ダルフール(Darfur)の反政府組織「スーダン解放軍(Sudan Liberation Army、SLA)」一派に属していると述べたが、組織側は事件への関与を否定している。(c)AFP/Deborah Cole