【9月9日 AFP】米ネバダ(Nevada)州の裁判所で8日、強盗罪などで前年に逮捕・起訴されたアメリカンフットボールの元スター選手O・J・シンプソン(O.J. Simpson)被告(61)の公判の陪審員の最終選考が始まった。

 シンプソン被告は2007年9月、ラスベガス(Las Vegas)のホテルの客室に銃を持った仲間と押し入り、同被告ゆかりの記念品を強奪して逮捕され、12の罪状で起訴された。このうち誘拐と武装強盗の罪で有罪となれば、ネバダ州刑法では終身刑が適用される可能性もある。

 陪審員選考は8月中旬に500人の候補者に26ページの調査票を送付し、その記入結果により248人を最終選考候補者として選出。その中から数日間をかけて、陪審員12人と、補欠6人を選び出す。選ばれた陪審員は、約5週間におよぶシンプソン被告の公判で、被告の運命を決める評決を下すこととなる。

 シンプソン被告は1994年にも元妻とその友人を殺害したとして起訴されたが、翌年に無罪となっているが、ネバダ地裁のジャッキー・グラス(Jackie Glass)判事は、この判決に不満を持った市民が陪審員とならないよう気を配っている。「無罪となった前回の裁判の代わりに、今回の公判でシンプソン被告に罰を下そうとの考えは誤りだ。評決に元妻の殺人事件に関する私情をまじえてもらっては困る」

 その一方で、シンプソン被告の選手時代のファンが陪審員になることも問題だと、グラス判事は話している。(c)AFP/Steve Friess