【9月4日 AFP】(一部訂正)韓国が北朝鮮の工作員として元正花(ウォン・ジョンファ、Won Jeong-Hwa)被告(35)を逮捕したことを、北朝鮮が韓国側のでっちあげだと非難していることについて、韓国捜査当局は4日、有罪を立証する十分な証拠があると反論した。

 韓国捜査当局によると、国家保安法違反の容疑で前週逮捕された元被告は、1998年に国家安全保衛部(秘密警察)の工作員となり、2001年に脱北者として韓国に入国。韓国軍将校らに「色仕掛け」で近づき、機密情報を北朝鮮に伝えていた。

 元被告は工作員しか知り得ない機密情報を詳細に把握しているうえ、北朝鮮の元工作員だった脱北者らの証言も、元被告の自白供述を裏付けるものだという。

 このほかにも、捜査当局は、数十人の証言者や通話の録音テープ、通貨の両替記録、北朝鮮労働党の宣伝ビラなど多数の証拠品を入手しているという。

 捜査当局は、3年前から元被告の監視を始め、2007年3月に元被告が中国北西部・瀋陽(Shenyang)の北朝鮮大使館内に入る姿が目撃された後は、元被告が工作員であることを確信し極秘捜査を続けていたという。

 元被告の初公判は10日、ソウル(Seoul)南方の水原(Suweon)で行われる。(c)AFP