【9月3日 AFP】メキシコ北部バハカリフォルニア(Baja California)州警察は2日、同国北西部メヒカリ(Mexicali)で空調設備を完備した麻薬密輸用トンネルを発見したと発表した。

 これによると、トンネルは全長140メートル、幅1.3メートル、地上からの深さ5メートルで、エアコンのほかコンテナ輸送用の線路や換気装置、電気を備えていた。現場は米国境から約60メートルで、トンネルは米国のカレキシコ(Calexico)につながっていた。

 警察当局は巡回中に家の地下にあったトンネルを発見し、8人を拘束した。8人はトンネル工事中の建物を見張っていたと供述しているという。

 トンネルの出口を突き止めるため、米麻薬取締局(Drug Enforcement AdministrationDEA)が米国側で掘り起こし作業を進めている。

 米国内に流入するコカインやマリフアナの大部分はメキシコを経由しており、米国内に展開する麻薬取引のほとんどは国境付近を拠点にするカルテルが仕切っている。

 カルテル同士の縄張り争いは激しさを増しており、2006年12月に就任したフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)メキシコ大統領が麻薬取引や関連の襲撃事件の取り締まりを開始して以来、麻薬関連の暴力事件が急増し、今年これまでに約3000人が死亡している。(c)AFP