【8月21日 AFP】10年前にインターネット競売大手イーベイ(eBay)が登場して以来、想像しうる限りあらゆる物が競売に出されてきた。そして米国には投票権を販売しようとする人がわずかながら存在する。もちろん違法だ。

 イーベイの広報担当者は、「何年も前から、大きな選挙があるたびに投票権を競売にかけようとする人がいる。われわれはそのような人々を迅速に捕まえている」と明らかにした。

 この「習慣」は今年も続いている。大統領選挙を控え、これまでに少なくとも6人が投票権を売ろうとしたが、すべてシステムから削除された。

 投票権の販売は、米国の連邦法や大半の州の州法で禁止されており、少なくとも1人が起訴されている。

 米ミネソタ(Minnesota)州当局は5月、選挙権を落札価格10ドル(約1100円)でイーベイに出品した19歳の男子学生を、1893年に成立し、その後の禁酒法時代にアルコールと引き替えに票を売ることを取り締まるために積極的に利用された法律を適用して、買収と教唆の罪で起訴した。5年以下の懲役と罰金1万ドル(約110万円)が科される可能性もあったが、7月末に50時間の社会奉仕が言い渡された。

 イーベイの広報担当者は「投票権が出品されているのを見つけたら確実に削除している」と述べた。

 同担当者は一方、このような習慣について「まん延しているわけではなく、懸念するほどではない」とし、単に自己表現への欲求が原因だと指摘。「投票権を出品する人々は聴衆を求めている。彼らは意見を示す場としてオークションを利用している」と述べた。(c)AFP/Virginie Montet