【7月25日 AFP】ニューヨーク(New York)州当局は24日、入札によって金利などが変わるオークション・レート証券を「安全」な投資商品として販売していたとして、スイス金融大手UBSに対し民事訴訟を起こした。

 同州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)検事総長は、UBSの子会社UBS Securities LLCUBS Financial Servicesが「オークション・レート証券を安全、高い流動性、現金相当価値をもつ証券だとして不当に販売・流通させた」としている。

 クオモ検事総長は「UBSによる不正な虚偽説明や不法行為の結果」、同社の顧客は「250億ドル(約2兆7000億円)以上の非流動的な長期手形を持たされる結果になった」と指摘した。

 訴状によると、UBSは前年、オークション・レート証券市場が暴落し始める直前に、同証券を現金と同様の流動性をもつとして顧客に販売していたという。また、調査の結果、同証券市場が暴落を始めた際、顧客に販売を続ける一方、UBS幹部らが個人で所有していた2100万ドル(約23億円)に上る同証券を売却していたことも明らかになったという。

 UBSは、訴状をまだ見ていないとしながらも、「オークション・レート証券を保有する顧客に流動性を確保するために、(ニューヨーク州)司法当局と誠実に協議を行ってきたにもかかわらず」法的措置をとられたことに対して「残念だ」とした。(c)AFP