【7月15日 AFP】インターネットのブログに書き込んだコメントで、警察に対する憎悪をあおったとして有罪になったロシアのブロガーが14日、モスクワ(Moscow)で会見し、控訴して当局と戦うと宣言した。

「罪を犯したとはまったく思っていない」。会見したのは、ネット上のコメントで激しく警察を批判したかどで前週、1年間の執行猶予を言い渡されたSavva Terentyev被告。この判決について支援者らは、インターネット上の言論の自由を制限しようとするロシア当局の試みだと強く批判している。

 Terentyev被告は、ロシア連邦のコミ共和国の首都シクティフカル(Syktyvkar)在住のミュージシャン兼ブロガー。地元ジャーナリストのブログへのコメントとして「裏切り者の警官たちは、アウシュビッツ(Auschwitz)のように」広場で焼き殺されるべきだなどと書き込んだことで起訴され、有罪となった。

 コメントは「かなりきつい表現だった」と認めながらもTerentyev被告は、書き込んだ内容を撤回しなかった。会見では「警察にいやな思いをさせられたことのない友人は1人もいない」と語った。

 ロシアの警察は腐敗していることで悪名高く、警察に対する不信感も社会一般に広くある。

 Terentyev被告の弁護を務めるVladislav Kosnyrev弁護士は、弁護団は14日控訴したと発表した。場合によってはストラスブール(Strasbourg)の欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)に訴える可能性もあるとしている。

 14日の会見にはロシアで著名なブロガーで、インターネット起業家でもあるAnton Nosik氏も同席し、ネット上の言論に対する警察の弾圧は「まったくセンスがなく無知だ」と批判した。

 ロシアのラシド・ヌルガリエフ(Rashid Nurgaliyev)内相は11日、インターネットにもほかの媒体同様の扱いが必要だとし、「過激な」内容を掲載したユーザーは当局が処罰できるようにすべきだと述べた。

 ロシアの大手メディアは政府の厳格な基準に従い始めているが、ロシア語のネット・メディアは依然、検閲を受けていないニュース情報源や議論の場となっている。(c)AFP