【7月15日 AFP】(写真追加)キューバ領内にあるグアンタナモ(Guantanamo)米海軍基地内の被収容者に対する尋問を記録したビデオテープが、被収容者の弁護団によって初めて公開された。カナダのメディアが15日報じた。

 ビデオを公開したのは、テロ容疑で拘束されているカナダ国籍のオマール・カードル(Omar Khadr)被告の弁護団。カナダ放送教会(Canadian Broadcasting CorporationCBC)によると、映像にはグアンタナモ基地内の米軍の収容施設で、カナダ公安情報局(Canadian Security Intelligence ServiceCSIS)が2003年2月に同被告を取り調べた様子が撮影されている。

 3日間の取り調べのうち、撮影された時間は7時間半に及んでいるという。アフガニスタンで拘束されたカードル被告は、当時16歳だった。

 カナダの裁判所命令に従い、最初に10分間の映像を公開した後、15日中に弁護団が完全な映像を公開するという。

 通気孔口から撮影されたビデオの中でカードル被告は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム教に対する信仰について質問されているという。またグローブ・アンド・メール(Globe and Mail)紙電子版は、カードル被告が時折、絶望したそぶりで泣いたり、自分の髪の毛を引っ張ったりしていると報じている。尋問者に自分のけがを見せる場面もあるという。

 カードル被告はアフガニスタンでの戦闘中、米兵1人を殺害したとされ、グアンタナモ基地内に収容されている。(c)AFP