【7月7日 AFP】(一部更新)ロンドン(London)南東部のアパートの火災現場から仏人留学生2人の刺殺体が発見された事件で、ロンドン警視庁は6日午後、事件に関与した疑いで5日に身柄を拘束した21歳の男性について、無関係だと分かったため釈放したことを明らかにした。

 また、目撃証言に基づいて、火災発生直後に現場から走り去ったとされる白人の男のモンタージュ写真を公開した。男は年齢が30-40歳でやせ形、薄い色の野球帽をかぶり、濃色のシャツ、青いジーンズ、白のトレーナーを着ていたという。

■事件から一週間、動機も犯行時刻も不明

 事件は前月29日夜、ロンドン南東部ニュークロス(New Cross)のアパートの火災現場で、ロンドンの大学に留学していたローラン・ボノモ(Laurent Bonomo)さん(23)とガブリエル・フェレ(Gabriel Ferez)さん(23)が他殺体で発見されたもの。ボノモさんは200か所、フェレさんは50か所近くを刺されていた。

 事件から1週間が経過したが、依然として犯人につながる手がかりは得られておらず、警察は通行人に聞き込み調査を行うなど必死の捜査活動を続けている。しかし6日現在も、犯行の動機、犯行時刻、単独犯か複数の犯行によるものなのか、いずれも分かっていない。

 捜査当局によると、ボノモさんは29日午前1時に婚約者と電話で会話したのが生存が確認された最後で、「それ以降のまる一日、いつでも犯行が行われた可能性がある」という。 

■紛失したノートパソコンとPSP、事件に関係か

 また、事件現場となったボノモさん宅では、23日にノートパソコンが盗まれる空き巣事件が起きており、捜査当局が事件との関連を調べている。

 被害者宅からは、ほかにソニー(Sony)の携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」2台と銀行のキャッシュカードも紛失していることから、警察は、事件後、現金が引き出されていないか仏銀行に確認している。

 一方、フェレさんの両親は6日、犯人に向けて「絶対に逃げたままにはさせない」と誓ったメッセージを発表した。(c)AFP/Katherine Haddon