【7月1日 AFP】中国南西部の貴州(Guizhou)省甕安(Wengan)県で、警察が発表した地元少女の検視結果に住民が怒り、暴動が発生した事件で、警察は少女の死に関する再捜査を開始した。1日、国営新華社(Xinhua)通信が報じた。

 この事件では、強姦殺害されたとみられている少女(17)の死について、自殺だと断定した当局に対し、地元住民たちの怒りが爆発した。前週28日には約3万人が抗議行動に参加。地元当局高官の息子だとされる容疑者を、当局がかばったとの報道がある。

 住民らの強い抗議は、共産党全体に対する国民の不満を反映するものとも言えた。再捜査開始の報は、共産党の貴州省代表が前週の抗議行動を認める発言をした直後に流れた。

 また、8月に開催される北京五輪を前に、調和がとれ安定した国として自らを示し、いかなる形の抗議も避けたい中国共産党政府の幹部たちにとって、今回の暴動は都合の悪い展開ともなった。

 新華社によると、当局は抗議の「主催者、首謀者、目立った暴徒」などに厳重な懲罰を下すよう命じている。28日の夜には14人が逮捕されたという。しかし、香港(Hong Kong)に拠点を置く「中国人権民主化運動情報センター(Information Centre for Human Rights and Democracy)」では、これまでの逮捕者は300人以上に及んでいるとしている。(c)AFP