機長と副操縦士がともに居眠り、到着空港を通り過ぎる エア・インディア
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【6月26日 AFP】インド国営航空エア・インディア(Air India)の旅客機が、機長と副操縦士の2人のパイロットが居眠りをしていたために到着予定地のムンバイ(Mumbai)を「通過」するという事態が発生していた。パイロットが管制塔に起こされたときには、同機はすでにさらに南部のゴア(Goa)までの航路の半分を進んでいた。
26日のタイムズ・オブ・インディア(Times of India)紙によると、上空でのパイロット2人の居眠り事件が発生したのは約2週間前。問題の旅客機は約100人の乗客を乗せ、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)を離陸、インド西部ジャイプール(Jaipur)を経由し、南部ムンバイへ向かっているところだった。
同紙の取材に答えた関係者によると「夜を徹した飛行でパイロットたちの疲れはピークに達し、ジャイプール離陸後から居眠りを始めた」という。ムンバイまでは自動操縦だったが、ムンバイの管制塔が着陸させようとした際、同機は指示を無視し、速度を落とさずにゴア方面へ飛行していった。
「指示にまったく反応していないことに管制塔が気づいたのは、同機がすでにムンバイの空域に進入してからだった。同機はそのまま通り過ぎた」という。「航空機は空港の約160キロ手前で下降を開始しなければならないが、同機はその時点でもまだ巡航高度を保っていた。われわれはハイジャックの可能性も検討した」(情報筋)。
最終的に管制塔からの操作で操縦室に警告音を鳴らしたところパイロットらは目を覚まし、旋回してムンバイへ戻ったという。
同紙の問い合わせに対し、エア・インディアは調査中だと回答した。ムンバイ空港の責任者は、この出来事について「通信のトラブルだった」と述べ、パイロットは居眠りなどしていないと述べた。一方、同紙に情報を提供した人物によると、当局はこの事件をもみ消すつもりだったという。
インドでは今週、別の航空トラブルも起きていた。インド各紙が報じたところによると、民間格安航空ジェットライト(Jetlite)の旅客機のパイロットが酒に酔っていることが発覚し、中部の都市パトナ(Patna)に着陸させられたという。(c)AFP