【6月17日 AFP】オーストラリア東部ブリスベーン(Brisbane)の裁判所で17日、子ども2人に十分な食事を与えずに死なせ、遺体を放置していたとみられる夫婦に対する尋問が行われた。母親は寝室で遺体が発見された自分の子どもたちについて「餓死したのだと思う」と供述した。

 死亡した状態で発見されたのは、ブリスベーン郊外に住む夫婦の生後18か月になる男女の双子。マイケル・クラーク(Michelle Clarke)検事によると、自宅でほかの兄弟が異臭に気付いた。16日に警察が確認した時には遺体は腐乱しており、栄養失調状態だったとみられる。

 豪AAP通信によると、父親(28)と母親(30)には育児放棄の容疑が掛けられている。発見時、双子の体重は1人は4キロ、もう1人はそれ以下だった。

 母親は警察に対し、6月8日もしくは9日ごろには、2人が死んだことに気付いていたと語ったという。それ以前は自分が風邪をひき、食事や排泄の世話をほとんどしていなかったと述べた。警察にどうして死んだのかと尋ねられると、「自分が十分に食事を与えなかったのだと思う」とも答えたという。

 死亡したとみられる日から1週間前後が経っていたが、父親はその間、何度か2人のいた部屋を通ったにもかかわらず「16日まで双子の死に気付かなかった」と語ったという。

 夫婦にはほかに4人の子どもがおり、全員同じ家に住んでいたが、めったに双子は見たことがなかったと述べている。双子は発見された住宅内前方の部屋から出されたことが、ほぼなかったとみられる。

 検察によると、遺体を発見した11歳になるほかの子どもは、母親に知らせに行った際、「なぜお母さんがずっと泣いているのか分かったよ」と言ったという。法廷では、両親ともに対人関係に著しい障害があり、父親は家族を養えていなかったとも陳述された。

 検視の結果によっては罪状が重くなり、過失致死罪や殺人罪が適用される可能性もあると警察の担当官は述べた。 (c)AFP