1200万ドル相続の米ホテル女王の愛犬、相続争いで「敗訴」
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【6月17日 AFP】(一部更新)米国のホテル女王、故レオナ・ヘルムズリー(Leona Helmsley)さんから遺産1200万ドル(約13億円)を相続する予定だった愛犬のマルチーズ「トラブル(Trouble)」は、当初より少ない額で我慢しなければならないようだ。
ニューヨーク・ポスト(New York Post)紙によると、遺産をめぐる裁判のReena Roth判事は16日、遺書を作成した際ヘルムズリーさんは心神喪失状態にあったとして、慈善団体に400万ドル、ヘルムズリーさんの2人の孫に600万ドルの取り分を認める判決を下した。
「けちの女王」との異名を取ったヘルムズリーさんは2007年8月20日に亡くなり、25億ドル(約2700億円)を慈善活動用の信託基金に遺した。
ヘルムズリーさんの遺族には弟のほか、孫4人、ひ孫12人がいる。弟には1000万ドル(約11億円)の遺産とともにトラブルの世話が託され、孫2人には少なくとも年1回は父親の墓参りをすることを条件に、それぞれ500万ドル(約5億4000万円)が遺された。しかし残りの孫Craig PanzirerさんとMeegan Panzirerさんの2人は「彼らも知っている理由により」、相続から除外された。
そして、親族のなかで最高額となる1200万ドルは愛犬トラブルに遺された。
判事は、祖母との確執について公にしないこと、そして祖母についてのあらゆる書類を引き渡すことを条件に、400万ドル(約4億3000万円)をCraigさん(40)に、200万ドル(約2億1000万円)をMeeganさんに与えるとした
その結果、トラブルの取り分はわずか200万ドル(約2億1000万円)に減少。トラブルは殺害の脅迫を受けたため2007年12月からフロリダ(Florida)州のある場所に身を隠している。
ヘルムズリーさんは1972年、不動産王ハリー・ヘルムズリー(Harry Helmsley)さんと結婚。ハリーさんとともにエンパイアステートビルを含むニューヨークの一等地の不動産や、全米に展開するホテルチェーンの運営を手がけた。
「税金を払うのは小市民だけ」と話していたヘルムズリーさんは、数十万ドル相当の宝石などの税金を脱税していたことが発覚し、1992-93年にかけて服役していたこともある。(c)AFP