【6月6日 AFP】警察犬は公務員とみなされるべきであり、彼らに対する暴力行為はすべて人間の警察官に対する暴力行為と同様の処罰に値する――。ノルウェーの最高裁が5日このような判断を下し、警察犬への暴行事件の審理を高裁に差し戻した。

 この事件は、2007年5月19日、ノルウェー西部ベルゲン(Bergen)で住宅に押し入ろうとしていた男が、ジャーマンシェパードの警察犬ベラ(Vera)に追跡され、手錠をかけられる際にベラに暴行を加えたというもの。

 最高裁は「警察官と警察犬は1つのチームで、警察犬への攻撃は警察官への攻撃と同じだとみなすべきだ」と指摘。さらに、警察犬は公務中の警察官を支援する役割をもち、警察官の直接指揮下にあるとした上で、こうした警察犬を攻撃することは、公務員の保護に関する刑法127条に「明らかに違反する」との判断を下した。

 この男は1、2審では強盗未遂で有罪になったものの、公務員への暴行罪では無罪となっていた。今回、最高裁がこの判決を覆したことで、男は最高3年の禁固刑が言い渡される可能性があるという。(c)AFP