【5月31日 AFP】英国中部ストーク(Stoke)の裁判所は、観光で訪れたギリシャのホテルで英語のサービスを受けられなかったとする英国人男性の訴えを認め、旅行を企画した代理店に慰謝料を支払うよう命じる判決を出した。30日の英デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙およびサン(Sun)紙が報じた。

 訴えを起こしたデービッド・バーニッシュ(David Barnish)氏(47)は昨年8月、4000ポンド(約84万円)を英旅行代理店トムソン(Thomson)に支払い、妻および娘3人を連れギリシャ・コス(Kos)島のリゾートを訪れた。

 だが現地ホテルでは、圧倒的多数を占めるドイツ人宿泊客を優先したドイツ語での案内しかなく、催し物やイベントに参加することができなかったという。

 バーニッシュ氏は、滞在したホテルの客のほとんどがドイツ人だということを開示しなかったことは契約違反に当たると主張、トムソンを相手取り訴えを起こしていた。

 ストークの裁判所は、英語の旅行パンフレットに掲載されたホテルに滞在した客は英語の案内を受けられるべきだとして、トムソンに対し慰謝料750ポンド(約16万円)をバーニッシュ氏へ支払うよう命じた。

 バーニッシュ氏は両紙に、「ホテルでは、その日のイベントが書かれた小冊子から案内係が話す言葉まで、ほとんどがドイツ語だった」と語り、「わたしは人種差別主義者ではない。英国人旅行客しかいないようなホテルにわざわざ家族連れでバカンスに行きたいとは思わないし、相手がスペイン人やフランス人でも同じことだ」と話した。

 バーニッシュ氏がこのホテルに宿泊した際、700人余りの観光客のうち英国人は25人だけで、残りの観光客はほとんどドイツ人だったという。(c)AFP