【5月18日 AFP】2000年にロンドンで起きたハイジャック事件の犯人で仮釈放中のアフガニスタン人男性が、ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)に清掃員として勤務していたことが発覚。仮釈放の条件に違反した疑いで逮捕された。16日、捜査当局による発表および各種報道で明らかになった。

 容疑者の男性はNazamuddin Mohammidy(34)で、2000年にスタンステッド空港で、ボーイング(Boeing)727型機を爆破すると脅し4日間にわたって警官隊とにらみ合いを続けたハイジャック事件の犯人グループの1人だった。

 大衆朝刊紙サン(Sun)によると、警官が無許可で営業するタクシーを停止させたところ、運転手のMohammidy容疑者が仮釈放中のハイジャック犯であるうえ、ブリティッシュ・エアウェイズの身分証を携帯していたことが判明したという。容疑者は前週、予審に出廷した。

 サン紙によると、Mohammidy容疑者はロンドン西部ヒースロー(Heathrow)空港近くに住み、ブリティッシュ・エアウェイズの研修施設の清掃を下請けする会社に数か月にわたり勤務していた。

 ブリティッシュ・エアウェイの広報担当者は、Mohammidy容疑者が空港内で勤務に就いたことはなく、空港内部に立ち入る許可証は与えられていなかったと述べている。

 2000年のハイジャック事件は、アフガニスタン人9人が旅客機をスタンステッド空港に着陸するよう強要し亡命を求めた。要求が受け入れない場合乗員乗客173人が乗る旅客機を爆破すると脅し、ニュースは世界中に報じられた。

 犯人グループは70時間後に投降。後にロンドンの中央刑事裁判所で有罪判決を受けた。2003年、犯行の動機がイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)からの逃亡だったことが考慮され、刑の執行が取り消され、犯人は英国内に滞在することが認められていた。

 Mohammidy容疑者は以前に借りていた部屋の家主を暴行した容疑でも取り調べを受けている。(c)AFP